大気イオンとマイナスイオン療法について(前編) |
私達の周りをとりまく大気イオン(空気イオン)がどの様に生体に影響しているかを、身近に身体で感じうろことは、晴れた日は頭がすっきりして爽快な気分になり、なにか外で運動したくなるような又戸外へ出かけようかと言う状態になりますが、雨の日はなんだか頭が重く、偏頭痛がしたり、手足指の関節が腫れぼったく、動かしたり曲げたりがスムーズでなく、時にリウマチ様の関節の鈍痛など訴え、気分が晴れやかになれないことなど経験されると思います。この時大気イオンの状態は、晴れの日はマイナスイオンが多くなっていて、雨の日はプラスイオンが増えている状態なのです。
( a ) 大気イオンの起源:大気イオンがどのようにして存在するかの起源は、表1に示しています様に、太陽からの紫外線,星辰からの宇宙線(Cosmic rays:Hess's rays),地殻からのラジウム系放射性物質の放電,雷による放電,更に山野の滝などによる水の飛沫化(レナード効果:Lenard′s
effect)によって大気が上空と地上近くの両方から帯電され、イオン化され気流及び地殻からの吸引で発現します。そしてこれらイオンは拡散,吸着,互結により消失するものです。
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表1
大気イオンの起源
(1)太陽からの紫外線
(2)星辰からの宇宙線
Cosmic rays (Hess's rays)
(3)地殻からのラジウム系放射性物質放電
(4)水の飛沫化
(レナード効果:Lenard's effect)
以上のために、大気は上、下から帯電され、
イオン化され気流及び地殻からの吸引で発現
する。そして拡散Diffusion、吸着Adsorption
並びに互結Recombinationで消失する。
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表2
大気イオンの体内侵入点
(1)肺胞(吸入)
(2)皮膚(イオン化空気浴)
(3)粘膜(イオン放射)
戸外で素足で接地する場合、又は地表の突起部(山頂等)では、作用は強い。 |
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( b ) 大気イオンの体内侵入点:大気イオンが人体のどこからどのように取り込まれるのかその体内侵入点については、表2にみられる様に(1)呼吸による肺胞からの吸入(2)皮膚から(イオン化空気浴など)また(3)胃 腸などの粘膜からも飲食物と具に空気を飲み込み(Aearophagia)大気イオンの放射によって人体内に取り込まれます。その際、戸外で素足で接地したり、裸で皮膚を大気に露呈したり、地表の突起部(即ち山頂など)ではその体内への侵入作用は強くなるものです。
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( c ) 大気中のイオン(表3):大気中にはどんなイオンが存在するか特に小或いは軽イオンと言われるイ才ンが生物学的効果が大きく、これは普通30個程集合した電子又原子イオンで主として大気中に存在し、特に空気清浄な高山,海岸部に多く、大気の電導率も主としてこれら小(軽)イオンにより影響されでいます。質量も小さく、直径800mμ以下(Yaglowによる)で運動速度は大きく、地上数km〜十数kmの高さに於いてその数は1立方粍中に50〜800個(Yaglow)《木村によればプラス・マイナスイオン各々300〜1000個〉存在すると言われています。
そのイオンの種類は、プラスイオンは水素イオンが主で水分子と結合し、オキソニウムイオンの形で存在し、マイナスイオンは、酸素イオン,炭酸イオン,硝酸イオンなどのイオンが、これらも水の分子と結びついて存在しています。これらのイオンがプラスやマイナスに帯電するのは、中性の単分子(H2,O2,N2,C0・)などのもつ価電子(e−)がはじき出されてプラスイオンとなり、価電子をうけとった中性の分子はマイナスに帯電したマイナスイオンとなるのです。
人間は呼吸機能により空気を吸入し肺胞から血液へこれら分子を取り入れ、心臓による血液循環により体の隅々まで臓器は勿論のこと細胞間組織まで送り込み、細胞の内.外の体液成分に影響を与えている訳です。
人間の体液が弱アルカリ性(pH7.4前後)に保たれるためには、食物として摂取したいろいろな栄養分の成分イオンと、この呼吸から取り込んたイオンの両方の作用によることがいかに必要か、おわかりいただけると思います。
さて、この大気イオン療法について今から70〜80年前、即ち1910〜1920年頃、すでにドイツの学者達を中心に発表され臨床的効果が調べられ、治療1二応用されでいます。
当時は日本では大正の中期〜末期頃にあたり、現在の様に車も多くなく、危険な工場廃棄物.有害ガスや食品に加えられる人工的添加物,防腐剤,着色剤などの影響が少なく、その公害がそれ程強烈でないため、周囲の環境間題に余り注目されなかったと思われます。この点いろいろな科学の進歩に比例して公害が世界的規模で問題にされる様になった現今、新たにこの問題に対じでマイナスイオンに着目される事は極めて素晴らしい事だと思います。
Steffens (1910),Dessauer (1920)ら当時のドイツの学者によって、マイナスイオン発生器が開発され、これを用いての臨床的大気イオン療法の生物学的効果が詳しく発表されています。
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大気中のイオン(小)〈地上数km〜十数km〉

註 中性の単分子(H2、O2、N2、CO2)のもつ価電子(e−)が
はじき出されてプラスに帯電したイオンとなり、価電子を
うけとった中性の分子はマイナスに帯電したイオンとなる
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( d ) マイナスイオン療法(Anionーerapie) :
表4はその生物学的作用について、まとめられたものです。その作用の中心的なものとして、神経機能に対してマイナスイオンは鎮静的作用、その反対にプラスイオンは刺激的作用を及ぼすことで、マイナスイオンは鎮静,鎮痛,鎮痙,鎮咳などの外、催眠,涼感,制汗.頭部爽快感,食思亢進など生体に良好な作用を与え、プラスイオンは不眠,興奮,頭痛,温感不快感など生体にとって好ましくない作用を与えています。即ち植物神経機能の上で、副交感紳経に対してマイナスイオンは興奮性に働き、プラスイオンは交感神経に対して興奮性に働いています。マイナスイオンは高原,山野,滝のある所や温泉地帯で多く存在し、以上の作用も強く、−方プラスイオンは天候が悪くフェーン現象が見られる時、人が多く集まる映画館,教室など更にまたルーム クーラーやテレビなど電化製品がある部屋や、公害としての排気力゛スの多い場所では、多く集まりって上記の様な不快な人体に好ましくない影響を及ぼすのです。その外、表にみられます様に毛細血管,微小血管,血庄,脈拍など血管系に対して、又呼吸、酸素消費量や利尿作用,排便などに関しても、両イオンの作用が別れていて、マイナスイオンの作用が生体にとって好ましいことが判ります。
更に血液所見に関Lて、酸 塩基平衡,血清カルシウム,カリウム,血糖,白血球数.
赤血球沈降速度,疲労による乳酸量,残余窒素などの項目で調べられていますが、これら
もマイナスイオンが生体に有益に作用していますし、その他疲労回復,細胞水和力,電気
時値の点でも同様で、1910〜1920年頃、すでにこれらの臨床効果が詳しく調べら
れ発表されている事には驚かされます。
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マイナスイオン療法 Anionーerapie
Steffens(1910), Dessauer(1920)
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大気マイナスイオン
(Aero-anion)
気体分子と衝突して電子の
加わった微粒子
(β線、陰極線) |
大気プラスイオン
(Aero-kation)
気体分子の電子を失った
微粒子
(α線) |
| 1 |
神経機能 |
鎮静作用
催眠、鎮静、鎮痛、鎮痙、
鎮咳、涼感、制汗、
頭部爽快感、食思亢進
(高原、滝、温泉地帯) |
刺激作用
不眠、興奮、頭痛、温感不快感
(フェーン、天気異変時、映画館) |
| 2 |
植物神経機能 |
副交感神経・興奮性 |
交感神経・興奮性 |
| 3 |
毛細血管 |
拡張 |
収縮 |
| 4 |
血圧 |
下降 |
上昇 |
| 5 |
脈拍 |
減少 |
増加 |
| 6 |
呼吸 |
鎮静・減少 |
促進 |
| 7 |
酸素消費量 |
減少 |
増加 |
| 8 |
利尿作用 |
促進(著明) |
抑制 (稍々著明) |
| 9 |
便通 |
下痢性傾向 |
便秘性傾向 |
10
血
液
所
見 |
(1)酸・塩基平衡 |
アルカロージス傾向 |
アチドージス傾向 |
| (2)血清カルシウム |
正常 |
減少 |
| (3)血清カリウム |
減少 |
正常 |
| (4)血糖 |
減少 |
増加 |
| (5)白血球 |
増加(中性多核白血球増加) |
減少 |
| (6)赤血球沈降速度 |
減少 |
増加 |
| (7)乳酸量 |
速やかに正常復帰 |
復帰遅延 |
| (8)残余窒素 |
減少 |
− |
| 11 |
疲労回復 |
著明(特に筋肉に比し神経で著明) |
認めない (往々遅延)
疲労回復、食思減退、不眠 |
| 12 |
細胞水和力 |
亢進 |
− |
| 13 |
電気時値 |
マイナスイオンが多いと小さい
(即ち電気刺激性向上) |
プラスイオンが多いと大きい
(即ち電気刺激性低下) |
西川義方・一郎共著 内科診療の実際 (南山堂) による
初版 大正11年〜昭和48年4月 (第70版) |
>>後編へ続く
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